「魚には白ワイン、肉には赤ワイン」ってよく聞きませんか?
それも間違ってはいないのですが、もう少し細分化して、それぞれの食材、お料理にあったお酒を探してみませんか。
1.色を合わせる
「食材とお酒の『色』を合わせる」という考え方があります。
同じお肉でも、鶏や豚など白いお肉には白、牛や鹿など赤いお肉には赤、といった感じです。
オーストリアでは、お肉をよく食べます。
有名なものですと、Wiener Schnitzel(ウィンナー・シュニッツェル)ですね(写真左)。
仔牛を使ったものと、豚肉を使ったものがありますが、現地では、これに白ワインを合わせます。
また、Backhändel(バックヘンデル)というフライドチキン写真右)。これにも白ワインです。
ということは、日本では、とんかつや鶏の竜田揚げに、白ワインが合いそうではありませんか?
同様に、赤ワインと魚を合わせることもできます。
例えば、秋刀魚の塩焼きと、赤ワイン、など。
2.香りを合わせる
味覚と嗅覚は密接な関係にあります。
ワインには、果実やハーブ、ナッツ、スパイス、土、スモークなど、様々な香りがあります。
料理に使われている食材と同じ香りのワインを合わせると、馴染みやすいです。
例えば、ハーブ入りチーズと、ハーブ香のあるワイン、など。
3.特徴の似た味を合わせる
前述の「香りを合わせる」と同じ考え方で、風味を合わせる方法です。
例えば、
大根の漬物と、酸を感じる白ワイン
エスニック料理と、スパイスを感じる赤ワイン
出汁のきいたおでんと、エレガントで柔らかい味わいの赤ワイン
塩揚げせんべいと、ミネラルを感じるスッキリした白ワイン
ブリの照り焼き(大根おろしを添えて)と、長熟タイプのしっかりした赤ワイン
など
4.対照的であるものを合わせる
これまでと言っていることが正反対なのですが、
例えば、さっぱりしたクリームチーズと、甘口のワイン、など
5.調味料の役割を与える
ワインが、レモンやソースの役割を果たすこともできます。
例えば、
唐揚げと、柑橘の香りがする白ワイン
白身魚のお刺身(塩を添えて)と、やや酸のある白ワイン
うなぎの白焼きと、長熟タイプのエレガントな赤ワイン
6.生産地域を合わせる
ワインしかり、日本酒しかり、その土地の食事にあったお酒が造られています。
その地域のお酒は、その地域の食事と合わせるのが一番間違いないです。
…が、それだけでは面白くない!
その枠を超えてみましょう。
私は、オーストリアワインと和食の相性がいいことに気づき、国境を超えたマリアージュを楽しむようになりました。
ワインを飲みながら、「○○を食べたいな」と考えたり、
お食事をいただきながら、「あー、こんなワインが飲みたいな」と思ったりするようになり、
それが予想通り、ときには想像を超えるものだったときの、ものすごい喜びと感動がクセになってしまいました。
美味しいワイン、美味しいお食事を、より美味しく、ワクワクしながら楽しんでみませんか。